ライブストリーミングに最適なマイクの選び方

ライブストリーミングは、コンテンツクリエーター、ゲーマー、ミュージシャン、教育者、企業、そして個人がオーディエンスとリアルタイムで関わるための強力なプラットフォームを提供し、私たちがつながり、コミュニケーションを図る方法を変革しました。ホームスタジオからのポッドキャストの配信、ライブパフォーマンスの提供、バーチャルイベントの開催、ゲームでの冒険の共有など、どんな場合にも高音質のオーディオが必要です。
 
現在、独自の機能と特徴を備えた数多くのマイクが販売されています。ライブストリーミングの目的や設定に最適なマイクを選ぶことは、特にオーディオの初心者にはとても難しいものです。 
 
このガイドでは、ライブストリーミングマイクの選択方法について詳しく説明します。これにより、さまざまな種類のマイク、指向性、接続オプション、そしてライブストリームに適したマイクの選び方が分かるようになります。
 

マイクの種類の理解:オーディオ品質の基礎


マイクは音波を電気信号に変換します。マイクロホンの種類によってその方法は異なり、それぞれのシナリオで優れた性能を発揮します。したがって、情報に基づいた意思決定を行うために、どのような特徴があるのかを理解することが重要です。ダイナミックマイクとコンデンサーマイクは、ライブストリーミングに最適なマイクです。ここではこれらに焦点を当てます。
 
ダイナミックマイクロホン:

ダイナミックマイクの主な特徴は、堅牢な設計で優れたサウンドを提供することです。 また、非常に大きな音源や環境で高い音圧レベル (SPL) に対応することにも適しています。シンプルでパッシブな設計は外部電源を必要としないので、接続すればすぐにライブストリームできます。
独自の利点:堅牢に作られているため、ライブパフォーマンスの厳しい条件や騒音の多い環境にも耐えることができます。また、ハンドヘルド型の設計が多いため、ハンドリングノイズの除去に優れています。
用途:ライブイベント、コンサート、屋外放送など、耐久性と騒音除去が最も重要な状況。
 
コンデンサーマイクロホン:

ダイナミックマイクがマイク王国の主力の働き者だとしたら、コンデンサーマイクは精密なツールです。アクティブ回路を有するコンデンサーマイクは、マイクプリアンプや録音インターフェース、ミキサーなどから供給される48Vのファンタム電源を使用して感度を高め、音の微妙なニュアンスやディテールを捉えます。これにより、より広い周波数特性が得られ、ストリーム音がクリアで豊かになります。コンデンサーが、最も人気のあるライブストリーミング用マイクの選択肢のひとつであることも不思議ではありません。 
 
独自の利点:
 
幅広い周波数レンジを再現できるため、ボーカル、アコースティック楽器、ポッドキャスト、スタジオアプリケーションの録音に最適です。
 
用途:
 
周囲の雑音が最小限に抑えられるスタジオのような制御された環境。純粋なオーディオ品質を優先するコンテンツクリエイターに好まれています。
 
ワイヤレスマイクロホン:

ワイヤレスマイクには、ダイナミックとコンデンサーの両方のバリエーションがあります。また、移動中の音源を自由に捉えることができます。屋外でのライブストリームやケーブルを設置しにくい場所には、ゼンハイザー EW-DP などのワイヤレスソリューションを強くお勧めします。
 
独自の利点:
 
ワイヤレスマイクは、無線周波数を使用して、マイクから、オーディオ機器に接続されたレシーバーに音声信号を送信します。つまり、音源はオーディオ機器から遠く離れた場所に自由に移動することができ、その間クリアなサウンドを維持します。
 
用途:
 
放送、劇場、ライブイベント、屋外、フィットネス教室。
 
ハンズフリーマイク:

ハンズフリーマイクは、発表者が両手をフルに使用する必要があるライブストリームに最適です。ハンズフリーマイクは、ゲーマー、料理および工芸教室、その他のデモンストレーションに役立ちます。 
 
ラベリア(ピンマイク)は、衣服にクリップで取り付けるように設計された小型で目立たないマイクです。通常はワイヤレスで、自由な動きとハンズフリー操作が可能です。ダイナミックマイクとコンデンサーマイクがあり、優れた外部ノイズリジェクションを備えたクリアで自然なサウンドで知られています。
 
ヘッドセットマイクにはヘッドホンスピーカーが含まれており、双方向通信が可能です。
 
独自の利点:
 
ハンズフリーマイクは、コンデンサーとダイナミックマイク性能を提供し、ユーザーは作業に集中できます。
 
用途:
 
ゲーミングストリーム、デモンストレーション、チュートリアル、インタビュー、プレゼンテーション、スピーチ、およびマイクが目立つと気が散る状況(ラベリア)。
 

指向性:サウンドステージを刻む


マイクの指向性は、方向的な感度、つまり収音する方向を決めます。また、マイクが収音しない方向を定めて、不要な周囲の雑音を排除するのに役立ちます。使用用途や目的に適した指向性の選択は非常に重要です。
 
カーディオイド:

カーディオイドマイクは、正面から来る音に最も感度が高い一方、側面や背面から来る音を遮断します。カーディオイドマイクは、ボーカリストや楽器などの1つの音源を分離するのに最適で、騒音の多い環境に適切な方法です。
 
用途:
 
ボーカルのライブストリーミング、ポッドキャスト、ストリーミングなど、周囲からの雑音を最小限に抑える必要のある状況。カーディオイドマイクは、複数のマイクが使用されている場合にも適しています。
 
無指向性:

無指向性マイクは、あらゆる方向からの音を均等に捉えます。自然で没入感のあるサウンドを提供し、制御された録音スタジオや自宅環境に最適です。
 
用途:
 
環境音、グループディスカッション、または複数の方向から音が来る状況。
 
双指向性(Figure-8):

双指向性のマイクは、前面と背面からの音声を均等に捉え、側面からの音声を排除します。1本のマイクで1対1のインタビューを収録するなど、簡易的なライブストリーミングの設定には素晴らしいソリューションです。
用途:2人が向き合うインタビュー、デュエットや独自な音の放射パターンを持つ楽器のレコーディング。
 
スーパーカーディオイド / ハイパーカーディオイド:

スーパーカーディオイドマイクとハイパーカーディオイドマイクは、カーディオイドパターンのバリエーションです。焦点がさらに狭くなり、側面からの音をより効果的に遮断します。 
 
用途:
 
最大限の音源の分離が求められる、雑音の多い環境。
 

接続性:XLR 対 USB


市場のほとんどのマイクはXLR接続を使用しています。しかし、デジタル化が進む世界では、ますます多くのマイクがXLRケーブルを取り除き、中間の機器を排除して、USB経由で直接ストリーミングしています。マイクをオーディオ機器に接続する方法は、ワークフローと音声品質に影響を与える可能性があり、どちらにも利点があります。
 
XLR マイク:

XLR端子のマイクは、プロフェッショナルなオーディオ用途、ライブパフォーマンス、スタジオ録音用として標準となっています。通常、オーディオ信号をバランス伝送することによってノイズと混信を低減させ、優れた音質を提供します。XLR 3ピン端子は、コンピュータに接続するためにオーディオインターフェースまたはミキサーが必要です。
 
USB マイクロホン:

USBマイクは、ライブストリーマーやコンテンツクリエーター向けのプラグアンドプレイソリューションで、 XLRケーブルや外部プリアンプ、インターフェースの手間を省きます。ダイナミックとコンデンサーの両方のバージョンがあり、マイクカプセル、マイクプリアンプ、アナログ‐デジタル変換器 (ADC) が1つのユニットに統合されています。小規模なライブストリームやポッドキャストの機材として最適で、コンピュータの USBドライブに差し込むだけで簡単に設定できます。
 

ライブストリームに適したマイクの選択


マイクのさまざまな種類、指向性、接続オプションを理解したところで、特定のライブストリーミングのニーズに最適なマイクの選択方法を見てみましょう。
 
ライブパフォーマンスとイベント:

カーディオイドパターンのダイナミックマイクは、ライブミュージックパフォーマンス向けのゴールドスタンダードです。高い SPLに対応しハウリングを除去する能力は、ステージでの使用に最適です。また、ダイナミックマイクはハンドリングノイズと振動の軽減にも優れています。 
 
カーディオイドパターンのハンドヘルド型ダイナミックマイクは、インタビューやライブイベントのプレゼンテーションに最適です。ラベリアマイクも、話者に装着できれば、大変良いオプションになります。
 
ポッドキャストとボイスオーバー:

コンデンサーマイクは、高い感度と声の微妙なニュアンスを捉える能力があるため、好まれることがよくあります。ポッドキャスト向けには、声に集中し、周囲の雑音を最小限に抑えるように、カーディオイドパターンを持つラージダイヤフラムのコンデンサーマイクをお探しください。 
 
ポップフィルターを内蔵した USBコンデンサーマイクは、初心者向けの便利な選択肢で、セットアップが簡単です。
 
ゲームとハンズフリーストリーミング:

ハンズフリー機能を必要とするゲーマーやストリーマーには、ラベリア(ピンマイク)とヘッドセットマイクロホンが最適です。ラベリアマイクは簡単に隠すことができ、優れた音声品質を提供します。一方、ヘッドセットには、さらに双方向通信というメリットがあります。 
 
もし周囲の雑音が心配なら、ノイズキャンセリングマイク付きのヘッドセットを使用して、明瞭で聞き取りやすい音声を確保することを検討してください。
 
屋外でのストリーミング:

屋外環境では、風切り音やその他の周囲の雑音が課題になります。この課題に対処するには、ハイパーカーディオイドまたはスーパーカーディオイド指向性のマイクの使用を検討してください。これらのマイクは、特定の方向からの音を捉え、側面からの不要な音を排除するのに優れています。
 
さらに安定性と柔軟性を高めるには、フレームから外れながら音源に近づくためにブームアームに取り付けたショットガンマイクを検討してください。
 
インタビューと複数人でのストリーム:

制御された環境でのインタビューでは、両方の音声を均等に取得するために、2人の話者の間に双方向性マイクを使用することを検討してください。また、2本のカーディオイドマイクを、参加者に1本づつ使用して、クリアでバランスのとれたオーディオを確保することもできます。 
 
複数人でのストリーミングやパネルディスカッションでは、無指向性マイクで全員の声を拾います。周囲からの雑音の可能性に注意してください。
 

ライブストリームオーディオを最適化するための追加ヒント


ポップフィルターの使用:

ポップフィルターは、「パ」行や「バ」行の音声などによって起こされる吹かれノイズを低減し、よりクリーンなオーディオを実現します。これらを内蔵するマイクも多数あります。
 
ショックマウントへの投資:

ショックマウントはマイクを振動から隔離し、ハンドリングノイズを最小限に抑えます。マイクをスタンドに取り付ける際に、スムーズでプロフェッショナルなサウンドを保証します。
 
オーディオレベルのモニター:

オーディオレベルに注意しましょう!どんなマイクを選択しても、オーディオレベルが高すぎたり低すぎたりすると、録音を台無しにして、ライブストリームの品質を損ねてしまいます。
 

ライブストリームに適したマイクの選択


オーディエンスに高音質のオーディオを提供するには、ライブストリームに最適なマイクを見つけることが重要です。スタジオで明瞭なボーカルを収録したいのか、ライブイベントで周囲の雑音を最小限に抑えたいのかなど、特定のニーズを常に考慮してください。さまざまなマイクの種類、指向性、接続オプションを理解し、情報に基づいた意思決定を行います。
 
ストリーミングセットアップに適切なマイクを使うことで、オーディエンスの興味を保ち続け何度も訪れさせることができるしょう。
 
ゼンハイザーのさまざまなストリーミング用途向けに設計されたマイクのラインナップをご覧になり、あなたのニーズに最適なものを見つけてください。

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