ヘット王立劇場

オランダの 「Het Nationale Theater」 または HNT は、あらゆる主要都市を巡る国内最大の劇団の一つです。イヴォ・パス氏(Ivo Pas) とロバート・バイネン氏(Robbert Weinen)はサウンドエンジニアとして、デジタルワイヤレスオーディオの利点とパンデミック後の計画について語ります。

「オランダの劇団は、世界の他の場所と異なります」と、イヴォ・パス氏 はすぐさま説明します。この HNT のシニア音響エンジニアは、演目の 90% が主要劇場以外で上演されると指摘しています。それは、ほとんどの劇団が独立して働く劇場のテナントだからです。このため、HNT は、下に説明される「Koninklijke Schouwburg」(王立劇場) のみで公演することはありません。1766年にヘーグの中心地に建設されたこの美しい劇場は、元々は市立宮殿として計画されたものの、1804年に劇場として改造され、公開されました。

HNT は、約 200 劇場のうち、 50 か所で上演しています。


国内を巡業する HNT のツアーでは、約 50 都市がハーグと同じ演目を観ることができます。オランダは小さな国に見えますが、HNT は全国に分散する約 200 劇場のうち 4 分の 1 でしか上演していません。HNT の演目制作は劇場で始まり、その後オランダを巡業するツアーへと続きます。5 人のオーディオエンジニアで構成されるチームが、年間 300 件以上の公演を支援しています。イヴォ・パス氏と同僚のロバート・バイネン氏は主にツアー部門で働いており、サウンドデザイナー責任者と緊密に協力して公演やリハーサルの準備を行っています。両者が Sennheiser とこのインタビューで話をしたとき、彼らは特に一緒に時間を過ごせることを喜んでいました。2人は 2014年に HNT で働き始めましたが、ツアーが多いため、普段はお互いに会いません。HNT は各地域では PA のみを使用し、高級なワイヤレス機器を含む他のすべての機器はチームにより持参されます。

オランダの HNT での Digital 6000


現在、 HNT のツアー部門は、SK 6212 ミニボディパックトランスミッターとペアリングされた Digital 6000 の 20 チャンネルを使用しています。」 俳優たちは SK 6212 をとても気に入っています。以前の SK 5212 トランスミッターも非常に小型でしたが、今や全ての俳優はこれを「大型」と呼んでいます。」と HNT チームに加わる前に、オランダの Stage Entertainment で働いていたロバート・バイネン氏は語ります。「俳優はステージ上を動き回りますが、以前のボディパックでは、タイトな服の中に隠されていることが明らかでした。SK 6212 はこの問題を解決します。」 イヴォ・パス氏も、 Digital 6000 と小型のボディパックトランスミッターを非常に気に入っています。「最近では、5 時間以上の公演も珍しくありません。これは「マラソンショー」と呼ばれ、観客のために 2 回の休憩があります。朝はリハーサルから始まり、夜の午後 11 時まで SK 6212 内の同じバッテリーで公演を行います。時間を大幅に節約できることに驚いています」と、2014 年に HNT に入団する前、フリーランサーとして豊富な経験を築いたイヴォはこう語りました。

「また、私たちの俳優の快適さも、大きなメリットです」とロバートは付け加えます。もうコスチュームを脱ぐ必要はなく、一日中着たままでいられます。さらに、Digital 6000 の狭い周波数帯域は、 あらゆる場所で HNT チームに対応できます。「ツアー中、ほとんどの場合、劇場には 2 つまたは 3 つのホールがあるため、時折、同じ建物内に異なるショーの多数の無線ボディパックが「オンエア」されることもあります。

HNT はオランダ最大の劇団の一つで、主に公的資金に支えられています。パンデミックの間、劇団はポッドキャストやストリーミングショーなどのクリエイティブな新商品でビジネスを維持し続けました。しかし、2020年の公演の多くは日程が変更され、今年中に初上演される予定です。

両エンジニアも、雇用主が提供するバラエティのある興行を非常に誇りに思っています。「リハーサルからツアー終了までの間に、最長で 4 か月しかありません。私たちは競合他社が行っているように、同じ演目を何年間も上演したりしません。それがとても楽しいんですよ。」とイヴォは締めくくります。最近、イヴォが取り組んだ『Hebriana』は、10月下旬に初演され、2021年末まで上演される予定です。ロバートは来月、『Yerma』という劇でツアーする予定です。」